* + * ・・ * + * ・・ * + * ・・ * + * ・・ * + * ・・ * + * ・・ * + *
ドクターみどりの Beauty Lesson (2008.5.15 Vol.49)
発行:おおた皮膚科 http://www.dr-midori.com/
おおたメディカルエステ https://www.ota-medical.com/
* + * ・・ * + * ・・ * + * ・・ * + * ・・ * + * ・・ * + * ・・ * + *
目次
【今週のLesson1】ニキビ治療の外用レチノイドの開発
【今週のLesson2】タコとウオノメとイボの鑑別
【今週のLesson3】子どもの入浴-2 お風呂の入り方と湯上りのケア
【ご案内】 太田みどり院長の本が出ました
* + * 今週のLesson1 * + * ・・ * + * ・・ * + *
_________________
◎ニキビ治療の外用レチノイドの開発
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 太田みどり
ニキビの治療に、外国では外用レチノイドが使われていて、
日本でも外用レチノイドのアダパレンが今年中に使われる予定です。
ニキビの発生には、皮脂の分泌の増加と毛包漏斗部の角化異常によって
毛の入り口が閉鎖することによって、
面ぽう(白ニキビ)が形成されることが原因となっています。
レチノイン酸の外用によって、角化細胞の増殖を抑制し、
面ぽうの形成を抑制して、
ニキビの炎症を抑えることができると言われています。
現在、わが国ではニキビの治療は、
抗菌剤の内服と外用が主な方法となっています。
しかし最近になって、
ニキビの原因菌に薬剤耐性菌の出現が問題となっています。
このために、抗菌剤の内服や、外用がきかない症例がふえてきています。
将来、抗菌剤と外用レチノイドを併用することによって、
外用抗菌剤の脂線毛包への浸透性を高め、
毛包内の抗菌剤の濃度を上昇させることができるようになり、
耐性菌の出現リスクを低下することが期待できます。
ニキビの患者さんの多くは、皮膚科医を受診せずに
化粧品や一般用医薬品などで、自分で治療をしているのが現状です。
重症のニキビは、ニキビ痕がひどく残ることが多く、
患者さんに与える精神的、肉体的苦痛は非常に大きいものがあります。
外用レチノイドのアダパレンが使えるようになると、
わが国のニキビ治療が世界の標準的な治療に近づくことが期待されます。
これが、ニキビ治療の大きな転換期になると思われます。
* + * 今週のLesson2 * + * ・・ * + * ・・ * + *
______________
◎タコとウオノメとイボの鑑別
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 太田みどり
1)タコ
特徴は、角質の肥厚で、圧迫したときに痛みはありません。
慢性的な刺激のために生じるもので、
角質の塊が皮表から上方にむかって扁平に増殖しています。
2)ウオノメ
特徴は、限局性の角質の肥厚で、圧迫したときに痛みがあります。
慢性の刺激によって生じ、
角質の塊が皮表から深部に向かって、楔状に増殖するために生じます。
3)イボ
表面に顆粒状の凹凸があり、血管が集まっているために、
削ると出血をします。イボ乳頭腫ウイルスによる感染によるもので、
治りが悪くて、人から人へ感染することが特徴です。
・治療
タコとウオノメは、削って肥厚した部分を切除すれば
痛みも違和感もとれます。
イボは液体窒素を使って、
イボのできている皮膚を腐食させて取る方法で治療します。
イボの大きさが大きいほど、治療に時間がかかります。
* + * 今週のLesson3 * + * ・・ * + * ・・ * + *
__________
◎フケ症のセルフケア
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 太田みどり
フケ症の多くは脂漏性皮膚炎が原因です。
皮脂(皮膚からでる脂)の分泌の多い人によく見られます。
「スーツの肩が白くなってしまう」「濃い色の洋服が着られない」など
悩みは多いものです。
自分でできるフケ症のケアを紹介します。
1)夜更かし、ストレスは悪化の元
睡眠不足にならないようにして、上手にストレス解消をしましょう
2)ビタミン不足、野菜不足は禁物
フケ症の改善にはビタミン類全般、特にビタミンB群を
充分にとる必要があるので、緑黄色野菜はたっぷり食べましょう。
3)脂っこい食事は大敵
アルコール類、油物、当分、ナッツ類、コーヒー、香辛料などを
とり過ぎないようにしましょう。
4)洗いすぎが逆効果
べたべたしたフケ症の人は、毎日洗髪をしてください。
ただし、乾いたパラパラしたフケには、洗いすぎは逆効果。
1日おきくらいに洗いましょう。
* + * 今週のLesson4 * + * ・・ * + * ・・ * + *
__________________
◎中学校の柔道の選手の体にできる白癬
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 太田みどり
日本では、2001年ごろから、
柔道や、レスリングなどの格闘技の選手の体や頭に、
白癬菌がついて発疹できる症状が見られるようになりました。
白癬菌はカビの一種です。
白癬菌にもいろいろ種類があり、ミズムシとは別の種類の菌で
トリコフィートン・トンジランスという菌で起こります。
格闘技は体の接触が多いので、集団感染をする危険があります。
高校生以上の運動部に所属して学生を調べたところ、
白癬菌の菌陽性率は10から40%にのぼるそうです。
最近は中学生にも、集団感染することが報告されています。
統計では、柔道の成績のよい生徒と軽量級の生徒に多く見られるそうです。
全国大会で上位入賞する生徒は、多量の練習が必要で、
強い相手を広い範囲で求めて練習する結果、
感染の確率が高くなると考えられます。
軽量級の生徒に多いのは、重量級の選手に比べて、
技術、戦術、戦法に違いがあるために感染率が異なるのではないかと
報告されています。
症状は丸い赤い斑状の紅斑が体に多発するのですが、
頭皮に生じることもあります。
皮膚科を受診して、白癬菌の有無を調べてもらいます。
菌が陽性の場合は、外用や内服療法を始めます。
最近ではその他に、
抗真菌剤の入ったシャンプーや洗顔フォームなどがでているので、
それを併用すると効果があります。
生活上の注意も大切です。クラブの部室やお子さんの部屋の掃除、
競技で着るウェアーの洗濯、練習後のシャワー浴、
部員間のタオルの共有を禁止する、皮膚の異常を早期に発見する、
皮膚に症状が出たた場合は練習および競技への参加を中止するなどです。
柔道部にはいっているお子さんをお持ちのお母様方は、注意してください。
* + * ご案内 * + * ・・ * + * ・・ * + *
______________
太田みどり院長の本が出ました
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
★ 『シミ・しわ・美肌は皮膚科できれいになる!』 ★
おおたメディカルエステ院長の大田みどりによる新刊、
『シミ・しわ・美肌は皮膚科できれいになる!』が
実業之日本社より出版されました。
■■ 帯より ■■
このシミ・しわがなかったら!
と悩んだら、まずは皮膚科へ
35年の実績を誇り、自らが若々しく美しい肌の
皮膚科専門医がアドバイス!
若さが確実に取り戻せる
アンチエイジングの必読本
【詳細はコチラ】
https://www.ota-medical.com/
右下に本のお知らせがあります
* + * ・・ * + * ・・ * + * ・・ * + * ・・ * + * ・・ * + * ・・ * + *
おおた皮膚科 http://www.dr-midori.com/
おおたメディカルエステ https://www.ota-medical.com/
院長:太田みどり(日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医 医学博士)
※ おおた皮膚科では、新たにインターネット予約を開始しました。
PCや携帯から24時間いつでも予約できます。
(メディカルエステの予約は従来どおりです)
* + * ・・ * + * ・・ * + *
〒359-0021 埼玉県所沢市東所沢1-3-11 ウチヤマビル
JR武蔵野線・東所沢駅より徒歩30秒
定休日:水曜・日曜・祝日・土曜午後
メールマガジンの登録・解除はこちらから
https://www.ota-medical.com/magazine.html
* + * ・・ * + * ・・ * + *
発行日:2008年5月15日(毎月1・15日発行)
Copyright(C)2006 おおたメディカルエステ/
おおた皮膚科 Rights Reserved.
※ 記事の無断引用・転載を禁じます