今週のLessonは「アトピー性皮膚炎」と「春夏のフットケア」について
* + * ・・ * + * ・・ * + * ・・ * + * ・・ * + * ・・ * + * ・・ * + *
ドクターみどりの Beauty Lesson (2009.5.1 Vol.72)
発行:おおた皮膚科 http://www.dr-midori.com/
おおたメディカルエステ https://www.ota-medical.com/
* + * ・・ * + * ・・ * + * ・・ * + * ・・ * + * ・・ * + * ・・ * + *
目次
【今週のLesson1】アトピー性皮膚炎についての知識
【今週のLesson2】アトピー性皮膚炎の原因
【今週のLesson3】アトピー性皮膚炎の治療法
【今週のLesson4】女性のミズムシ
【ご案内1】 紫外線に強いドクターズコスメのご案内
【ご案内2】 休診日のお知らせ
* + * 今週のLesson1 * + * ・・ * + * ・・ * + *
________________
◎アトピー性皮膚炎についての知識
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 太田みどり
子どもに湿疹ができたり、耳切れができたりすると、
たいていのお母さんはアトピーですか?と質問してきます。
アトピー性皮膚炎は、診断基準を満たして初めて診断される病気なのです。
アトピー性皮膚炎について、もう少し知識を高めましょう。
アトピー性皮膚炎は、良くなったり、悪くなったりを繰り返す、
かゆみのある湿疹ができる病気で、
患者さんの多くはアトピー素因(体質)を持っています。
症状とともに湿疹が現れる部分にも特徴があり、
年齢によって変化していきます。
アトピー素因というのは、以前に気管支喘息やアレルギー性鼻炎、結膜炎、
アトピー性皮膚炎のいずれかにかかったことがあるか、
または家族でこれらの病気にかかった人がいること、
そして、IgE抗体をつくりやすい素因を持っていることを言います。
IgE抗体とは、血液中にあるたんぱく質の一種で、
体の中に異物(アレルゲン)が侵入したときにできて、
再び同じ異物が侵入したときに、それを敵として認知し、過敏に反応します。
・アトピー性皮膚炎の診断
皮膚科専門医は、かゆみがあるかどうか、
特徴的な皮膚の症状と分布を示すのか、症状の経過は慢性か反復性か、
の三つの点から診断をします。
症状がひどいか軽いかを問わず、三つの項目を満たすものを
アトピー性皮膚炎と診断します。
血液検査をする場合もありますが、それは診断の参考として、
IgE値の上昇などを調べるものです。
他に家族暦、合併症などを参考にします。
・アトピー性皮膚炎の特徴的な皮膚の症状
皮膚が赤くなる
こまかいぶつぶつができる
フジツボのような、とてもかたいしこり、つまり結節ができる
カサカサの皮がむける
皮膚が厚くなる
黄色のカサブタができる
ひっかいた傷跡がある
* + * 今週のLesson2 * + * ・・ * + * ・・ * + *
____________
◎アトピー性皮膚炎の原因
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 太田みどり
これまで、アトピー性皮膚炎はアレルギーの病気の代表とされてきました。
その人にとっての抗原(アレルゲン)は何か、たとえばダニか、ホコリか、
あるいは牛乳かということが重視されてきました。
もちろん、アレルギーも関与していますが、それだけではありません。
アレルギーよりも大きな原因は、
バリア機能の低下した皮膚(アトピックスキン)にあります。
気温や湿度の変化、また、汗などによって
症状が軽くなったり重くなったりするのは、
この乾燥しやすく刺激に弱い皮膚に、さまざまな刺激要因が加わって
炎症が起こるためと考えられています。
・アトピー性皮膚炎の三大要因
1.環境要因
・アレルギー要因 ダニ、ほこり、食べ物
・非アレルギー要因 気候、発汗、ストレス
2.アトピー素因(体質)
3.アトピックスキン
皮膚の一番表面にある角層の細胞と細胞の間にある、
セラミドの減少によって皮膚が乾燥し、バリア機能が低下します。
・セラミドがバリアの主役
皮膚の角層は、硬くて薄い膜で、まわりの温度や湿度変化に関係なく、
中に含む水分量を一定に保っています。
そして、摩擦や刺激、異物の侵入などから
身を守るバリアの役割を果たしています。
角質細胞の間にある脂質は、細胞と細胞をつなぐセメントのようなもので、
セラミドという脂で構成されています。
このセラミドが保湿とバリアの主役で、
セラミドが減少すると皮膚が乾燥し、バリア機能の低下を引き起こします。
* + * 今週のLesson3 * + * ・・ * + * ・・ * + *
_____________
◎アトピー性皮膚炎の治療法
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 太田みどり
皮膚科医は、アトピー性皮膚炎の診断をすると、その重症度に応じて、
治療を開始します。
薬物療法、スキンケア、原因と悪化因子の検索と対策をして、
治療をしていきます。
アトピー性皮膚炎の治療はあせらず、気長に症状をコントロールしながら、
かゆみ、湿疹を意識しないで普通の生活が送れることを治療の目標とします。
いまのところ、アトピー性皮膚炎の炎症、つまり湿疹を
症状の強弱を問わず充分に早く抑えるには、
ステロイド外用剤に勝るものはありません。
ストロイドの飲み薬や注射薬は緊急退避的に使用する場合もありますが、
原則として使用しません。
・ステロイド外用剤はこわくない
ステロイドは別名副腎皮質ホルモンといい、
もともと体内の代謝にかかわる働きをしています。
特に体の中に起こっている炎症を軽くする作用があります。
皮膚科専門医の指導にしたがって、
決められた量を決められた回数で使用すれば、
全身的な副作用は起こることはありません。
逆に途中で勝手にやめてしまうと回復が遅くなるだけではなく、
かえって症状を悪化させてしまいます。
皮膚科医は湿疹の重症度に応じて、
症状によるステロイドの使い分けをします。
また顔などの皮膚の薄い部分は弱いステロイドを使用します。
* + * 今週のLesson4 * + * ・・ * + * ・・ * + *
________
◎女性のミズムシ
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 太田みどり
春や夏でもブーツをはくという流行のせいか、
女性のミズムシの患者さんが増えています。
ミズムシは、白癬菌といってカビの一種が原因ですから、
高温多湿の環境で悪化します。
どこからうつるかと言うと、
スポーツジムや温泉などのお風呂の足ふきマットや、
病院などにあるスリッパが感染源です。
危険は春夏のブーツだけではありません。
最近は、素足で靴を履く女性がふえています。
素足でミュールを履いている女性も多く見られます。
素足で歯医者さんや病院に行って、そこにおいてあるスリッパを履けば、
ミズムシが感染する危険がいっぱいあるわけです。
「ナマ足」という言葉がはやりましたが、
これは皮膚科から見ると決してお薦めではないファッションです。
靴下を履くということは、汗を吸収してくれますし、
足の裏についたばい菌が汗を分解することをふせぎます。
足のいやな臭いは、汗がばい菌で分解されて起こります。
靴下をマメにかえることで足の臭いも防ぐことができるのです。
また、お風呂に、夜ではなく朝、入る人も増えています。
仕事で汗をかいた一日に終わりに、そのままベットに入るのも
いかがなものかと思います。
夜お風呂に入らないのであれば、せめて足だけでも洗ってください。
●一日履いた靴は風通しの良い場所に置いて乾燥させる
●支障がなければ、靴下を着用しこまめに履き替える
●マイスリッパを常に持ち、病院などで公共のものを使わない
●プールや温泉の足ふきマットはさけて通る
●足を清潔に保つ(汗かきのひとは1日2回は足を洗う)
・・・といった注意はミズムシ予防に必要です。
ミズムシは治りにくいものと思われていますが、
皮膚科専門医のもとできちんと治療を受ければ治ります。
自己判断をして市販の外用薬をつかわれるかたもいますが、
ミズムシに似た他の疾患もありますし、
仮にミズムシであっても皮膚の状態や体質によって合う薬が違いますので、
皮膚科医に相談することをお薦めします。
またミズムシを悪化させてしまうと、爪にも菌が入り、
爪白癬になってしまうケースもあります。
こうなると完治するのに10カ月はかかりますので、
なるべく早い段階で受診したほうが賢明です。
* + * ご案内1 * + * ・・ * + * ・・ * + *
★☆★ 紫外線に強いドクターズコスメのご案内せ ★☆★
おおたメディカルエステでは、ドクターズコスメを多数そろえております。
今回ご紹介するのは、
紫外線対策先進国である南アフリカ共和国にて、研究・開発された、
『エンビロン』。
オゾンホール拡大による紫外線からお肌を守るコスメです。
『エンビロン』は、紫外線のダメージを受けたお肌に栄養を与えると同時に、
紫外線からお肌を守ることを目的としています。
いまでは世界30カ国以上で使われ、日本でも当サロンをはじめ、
数多くのクリニックや皮膚科で採用されています。
【『エンビロン』詳しくはコチラ】
https://www.ota-medical.com/cosme.html#1
* + * ご案内2 * + * ・・ * + * ・・ * + *
★☆★ 休診日のお知らせ ★☆★
おおたメディカルエステ、おおた皮膚科の
ゴールデンウイーク中の休診日は以下のとおりです。
ご了承くださいませ。
5月2日(土) 午前のみ診察
5月3日(日) 休診
5月4日(月) 休診
5月5日(火) 休診
5月6日(水) 休診
【診察日カレンダーはコチラ】
http://www.dr-midori.com/service.html#calender
* + * ・・ * + * ・・ * + * ・・ * + * ・・ * + * ・・ * + * ・・ * + *
おおた皮膚科 http://www.dr-midori.com/
おおたメディカルエステ https://www.ota-medical.com/
院長:太田みどり(日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医 医学博士)
※ おおた皮膚科、メディカルエステともに、
インターネット予約ができます。
PCや携帯から24時間いつでもご予約ください。
* + * ・・ * + * ・・ * + *
〒359-0021 埼玉県所沢市東所沢1-3-11 ウチヤマビル
JR武蔵野線・東所沢駅より徒歩30秒
定休日:水曜・日曜・祝日・土曜午後
メールマガジンの登録・解除はこちらから
https://www.ota-medical.com/magazine.html
* + * ・・ * + * ・・ * + *
発行日:2009年5月1日(毎月1・15日発行)
Copyright(C)2006 おおたメディカルエステ/
おおた皮膚科 Rights Reserved.
※ 記事の無断引用・転載を禁じます