今週のLessonは・・・女性の悩み「美白、ブーツ足、乳がん」について
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　　　　ドクターみどりの Beauty Lesson　　　（2010.6.1. Vol.98）

　　　　　　発行：おおた皮膚科　http://www.dr-midori.com/
　　　　　　　　　おおたメディカルエステ　https://www.ota-medical.com/

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　目次

　【今週のLesson1】美白剤ハイドロキノンの効果
　【今週のLesson2】ミズムシの再発～プールとブーツに注意！
　【今週のLesson3】乳がんの早期発見

　【ご案内】　ドクターズコスメ「エンビロン」のご案内

　* + *　今週のLesson1　* + * ・・ * + * ・・ * + *
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　　　◎美白剤ハイドロキノンの効果
　　　￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣　　　太田みどり
　ハイドロキノンはメラニン合成経路におけるチロジナーゼの活性を阻害して、
　メラニン合成を抑制するものです。
　種々の美白剤の中で、
　ハイドロキノンはもっとも漂白作用が強いと言われています。
　刺激症状で赤くなることもありますが、
　5％以下の濃度のものを使っていれば、それほど強い刺激症状は起こりません。
　また刺激症状が起こっても、
　2週間程度外用を続けていると刺激症状はおさまってきます。

　古くから、ハイドロキノンは漂白剤として米国で使用されていました。
　わが国でもその有用性は確認されていましたが、
　刺激症状があることと、使いすぎると白斑黒皮症が起こることのために、
　厚生労働省はその使用を長い間認可していませんでした。
　そのために、多くの美容皮膚科では、
　5％のハイドロキノンを院内で調剤して使用していました。
　しかし、ハイドロキノンは米国だけでなく、ヨーロッパ、アジア諸国でも
　化粧品として使用されていることから、わが国でも、
　ハイドロキノンを4％以下の濃度で化粧品に配合することが認可され、
　ようやく世界の仲間入りができました。

　ハイドロキノンは酸化されやすいので、変色や分解が起こり、
　製品の安全性に問題があるため、容器に入れたものより、
　チューブに入ったもののほうが安全性が高いと言われています。
　また暗室で冷所保存のほうが劣化を防ぐと言われています。

　現在、常盤薬品、ロート製薬、グラファラボラトリーズの3社が
　ハイドロキノン含有の化粧品を発売しています。
　インターネットで見る中小のメーカーが
　様々なハイドロキノン含有化粧品を売っており、
　なかには5％や10％のものもあります。
　高い濃度のものは安全性に問題があるので、
　使用は皮膚科医の指導のもと、上記3社のものが望ましいと思われます。
　シミの中でも肝斑には、ハイドロキノンの効果が認められていて、
　これには多くのエビデンスがあります。

　* + *　今週のLesson2　* + * ・・ * + * ・・ * + *
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　　　◎ミズムシの再発～プールとブーツに注意！
　　　￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣　　　太田みどり

　ミズムシと診断されると、
　もう治らないと悲観的に考える患者さんがたくさんいらっしゃいます。
　しかしミズムシは、
　きちんと手入れをして、清潔にして、外用剤あるいは内服薬を続けることで
　治るものです。ところが、病院のスリッパや旅館の履物、
　プールやお風呂の足ふきなどで再感染をして悪化してしまうので、
　治りにくい病気と誤解されています。

　ミズムシは、白癬菌というカビが原因です。
　皮膚科医が、公共のスリッパやお風呂場の足ふきマットを調べた結果、
　そこにたくさんの白癬菌がいることが分かりました。
　せっかく外用剤を使って治っても、
　そのような施設に行ってまたうつってしまったりするのです。

　同じ条件で足ふきマットを踏んでも、
　うつる人とうつらない人がいるのはなぜでしょうか。
　それは、その人の体質と、環境に左右されます。
　もともと足に汗をかく人は靴の中で足が蒸れますから、
　ミズムシはうつりやすくなります。特に最近は、ブーツの流行とともに、
　若い女性のミズムシの患者さんが増えています。
　ブーツは冬だけのものではなくなり、
　はいている期間が長くなっているのも原因の一つです。対策は、
　靴下を一日に何回かはき替えることです。靴下は汗を吸収してくれます。
　何度か新しい靴下にかえてみるとよいでしょう。
　プールやお風呂に行く時は、自分のタオルで足を拭きましょう。
　足ふきマットは避けて通りましょう。
　また公共の施設に行く時は、マイスリッパを持参しましょう。
　皮膚科から処方された外用薬は、3か月は続けましょう。

　* + *　今週のLesson3　* + * ・・ * + * ・・ * + *
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　　　◎乳がんの早期発見
　　　￣￣￣￣￣￣￣￣￣　　　太田みどり

　乳がんは自分で発見することが可能な唯一のがんなので、
　定期的に自己検診をしましょう。
　乳がんには、次のような人がかかりやすいことがわかっています。

　・初潮が早く、閉経が遅かった人
　・晩婚で、初産年齢が高かった人
　・30歳以上で未婚の人
　・出産の経験がない人、少産の人
　・肥満の人・高脂肪の食事を好む人
　・家族に乳がんにかかった人がいる人
　・女性ホルモンを使用している人

　乳がんは早期発見が大事です。
　早期がんの場合、しこりの大きさが2cm以内なら、
　90％が完治可能と言われています。また乳房を温存して治療ができます。

　●自己診断のポイント

　毎月、月経後の1週間以内が適した時期です。
　ベビーパウダーをつけて行うと、肌が滑りやすくて調べやすいです。
　指でつまむのではなく、
　指の腹を動かして肋骨にそって滑らすようにするのがコツです。
　異常を感じた場合は、必ず専門医の診断を受けるようにしましょう。

　●鏡の前でチェック
　明るい部屋で、大きな鏡の前で両腕を上げて、
　正面・横向き・前かがみの姿勢で見ましょう。
　左右の乳房が同じ形か、変形・へこみ・ひきつれ・ただれはないか、
　乳首にひきつれ・ただれはないか、チェックします。

　●触ってチェック
　仰向けに寝て、肩の下に枕を入れて、
　腕を下げて指で乳房の外半分の触診をします。
　また同じように、寝て腕を上げて、乳房の内半分の触診をします。

　●乳汁分泌のチェックをしましょう
　乳房を挟むように圧迫して乳頭から異常な分泌がないかを確認します。

　●脇のリンパ節のチェック
　脇の下に指を押し当ててリンパ節の腫れがないかを確認します。

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　発行日：2010年6月1日（毎月1・15日発行）
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