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　　　　ドクターみどりの Beauty Lesson　　　（2011.1.15. Vol.113）

　　　　　　発行：おおた皮膚科　http://www.dr-midori.com/
　　　　　　　　　おおたメディカルエステ　https://www.ota-medical.com/

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　目次

　【今週のLesson1】レチノイン酸について
　【今週のLesson2】しもやけの予防
　【今週のLesson3】赤ちゃんは薄着に！子どものタイツはやめましょう

　【ご案内2】　「冬は仕方がない」とあきらめる前にビタミン導入

　* + *　今週のLesson1　* + * ・・ * + * ・・ * + *
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　　　◎シミ、シワの治療に使うレチノイン酸について
　　　￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣　　　太田みどり

　レチノイン酸は　ビタミンAのカルボン酸誘導体です。
　レチノイン酸の仲間のひとつである、トレチノインが、
　美白剤や抗しわ治療剤として使われています。
　トレチノインは　一般の化粧品に使われているレチノールに比べると、
　はるかに高い生理活性を持つといわれています。
　つまり、かなり有効な成分と考えてよいものです。

　トレチノインを皮膚に外用すると、表皮細胞の増殖及び分化が亢進します。
　つまり表皮角化細胞のターンオーバー（生まれ変わり）が促進して、
　細胞が次々とできるために、
　基底細胞のメラニンとともに上層に押し上げられ、
　角質層となって、はがれおちるようになります。
　つまりトレチノインの美白作用は、メラニンの産生を抑制するのではなく、
　メラニンの排泄を促進をすることによるものです。

　トレチノインは、皮膚科や美容形成外科で処方されています。
　保険は適応されていません。
　実際の処方は　水溶性ゲル、親水軟膏を基剤として、
　0.025～0.4％のトレチノイン外用剤が調剤されています。
　高濃度のものほど美白効果が高いのですが、
　外用部分が赤くなったり、皮膚がむけたりする随伴症状が起こります。
　外用を中止すれば、その症状は改善します。

　シワの予防及び治療としては、トレチノインを外用することによって、
　表皮細胞でのヒアルロン酸の産生を亢進させ、
　コラーゲン量を増やし、角層直下の皮膚の水分環境を改善します。
　このような効果があるので、当院では外用回数に注意しながら、
　シミ、シワの患者さんにトレチノインを処方しています。
　保険適応外です。

　* + *　今週のLesson2　* + * ・・ * + * ・・ * + *
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　　　◎しもやけの予防
　　　￣￣￣￣￣￣￣￣　　　太田みどり

　毎年冬になると、足の指にしもやけができる人がいます。
　しもやけは、足の指だけでなく、足の裏やかかと、足縁にもできます。
　末梢の血液循環が悪いために起こるものですが、
　一度なってしまうとなかなか治りません。悪化してから治療するのではなく、
　しもやけにならないように注意をしましょう。
　足に汗をよくかく体質の人は、汗をかくことで足が冷えるので、
　しもやけになりやすい傾向にあります。そのような人は、
　靴下をマメに替える、制汗剤を使って汗の量を抑えるなどの方法で、
　汗によって足が冷えないような注意が必要です。

　5本指の靴下も、汗を吸収して足の指同士がくっつくのをさけますので、
　しもやけの予防に効果的です。また足の指が冷えないという利点もあります。
　外で仕事をする時間が多い人、朝練習をする運動部の学生さんなどは
　このような靴下をはくことをお薦めします。
　また早めにビタミンEを内服して末梢の血液循環を改善しておくのも、
　予防のひとつです。しもやけは、足だけでなく、手や耳、頬など
　皮膚が露出している部分にもできます。
　しもやけになってしまったら、皮膚科を受診して治療を受けてください。
　かゆみがひどくならないうちに治療を開始したほうが早く改善します。

　* + *　今週のLesson3　* + * … * + * … * + *　
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　　　◎赤ちゃんは薄着に！子どものタイツはやめましょう
　　　￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣　　太田みどり

　赤ちゃんがくしゃみをすると、
　風邪をひかせたらたいへんと思ってたくさん着せてしまいますよね。
　くしゃみは風邪でなくても出るものです。

　赤ちゃんは暑がりなのをご存知ですか？
　皮膚科の外来に雪だるまのように厚着をさせてくるお母さんがいます。
　たいていおばあちゃんも一緒にみえます。
　赤ちゃんは暑くて真っ赤な顔をしていて、脱がせると背中は汗びっしょり。
　そしてお母さんとおばあちゃんはとても心配そうに
　赤ちゃんを見守っています。
　ふたりの愛情をたっぷり受けているのですが、
　赤ちゃんの背中は冬でもアセモができているのです。

　このような光景は毎日、皮膚科の外来で繰り返されています。
　赤ちゃんは「暑い」と訴えることができません。
　暑いからといって、自分で服を脱ぐこともできません。
　外に出るときは、おくるみなどで暖かくしてあげて、
　室内に入ったら脱がせてあげるようにしてください。
　室内では、着るものはなるべく薄着にしてあげてください。
　お母さんが着ている枚数より一枚薄着が理想的です。
　保育園ではどこでも薄着をすすめています。薄着の子どもは丈夫です。

　また、2、3歳になるとかわいいタイツをはかせるお母さんがいます。
　乾燥性の湿疹のある子どもは、
　タイツをはくとかなり皮膚がかゆくなります。
　かゆみのひどいときは綿のズボンにして、タイツやスパッツはやめましょう。

　* + *　ご案内　* + * ・・ * + * ・・ * + *

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　発行日：2011年1月15日（毎月1・15日発行）
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