今週のレッスンは……男性のおしゃれ&毛染めアドバイス
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ドクターみどりの Beauty Lesson (2006.11.15 Vol.13)
発行:おおた皮膚科 http://www.dr-midori.com/
おおたメディカルエステ https://www.ota-medical.com/
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目次
【今週のLesson1】 メイクの社会的&皮膚科的意味
【今週のLesson2】 男性のおしゃれ
【今週のLesson3】 男性型脱毛症の治療
【今週のLesson4】 かぶれない染毛剤
【今週のLesson5】 毛染め、ヘナによるかぶれ
【ご案内】 秋~冬はピアッシングの季節
【お知らせ】 おおた皮膚科が完全予約制に
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◎メイクの社会的&皮膚科的意味
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 太田みどり
コスメフリークという言葉ができるほど
化粧オタクの若者が増えました。
電車やバスの中で一心にメイクをしている中高生を見かけます。
芸能人のように、
きれいにメイクをして毛染めをした髪をブローして通学しています。
一番きれいであるべき20代の女性より、
中学生・高校生のほうがおしゃれに時間をかけているかもしれません。
このようにメイクやおしゃれをする年齢が、
若くなってきているのは何故でしょうか。
単に化粧オタクが若年年齢化しているだけではないように思えます。
昔は[顔じゃなくて大切なのは心]と言われてきました。
しかし今は違います。
外見は内面と同じようにその人の要素であり、
その人を認める上での大事な魅力のひとつになってきています。
若い頃からおしゃれをするようになって、
心の成長とともに外見も洗練され、
トータルにその人が
社会で認められていくようになってきているのでしょう。
さて皮膚科を受診する女性の患者さんの多くは、顔に皮膚疾患があると、
「お化粧はダメですよね」
と聞いてきます。
メイクをするということは前述したように、
女性が社会に出て仕事をしていく上で大事なことです。
ですから顔に生じた病気に差障りのないメイクであれば、
私は許可しています。
またメイクをすることでニキビを目立たないようにしたり、
生まれつきあるアザを隠したりすることもできます。
やけどや事故で顔に傷を生じたひとは
カモフラージュメイクを専門家に指導してもらうことで、
自信をもって社会復帰しています。
メイクによって心理学的社会的な活性化が促進されることも、
実証されています。
元気になるメイクを高齢者に実施しているところもあります。
メイクはこれから、その人が社会的にコミニュケーションをとるために、
必要不可欠な要素となっていくでしょう。
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◎男性のおしゃれ
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 太田みどり
昔は、男性は、会社員らしい服装をして、
外見にとらわれない生き方を貫くのが男らしいとされていました。
しかし、1980年代からは男性も化粧をしたりおしゃれをするようになり、
1984年には男性用メイク化粧品が発売されるようになりました。
最近の若い男性は、女性よりも清潔好きで、服装にも気をつかい、
美容にも関心をよせるようになってきています。
さらに、女性の好みも、毛深くて男くさい男性より、
「むだ毛が少なくツルンとした、ヨンさまタイプの男性がよい」
という傾向に変わってきています。
そのため胸毛やすね毛を脱毛したり、
ひげをもっと目立たなくしたいという男性が増えてきました。
また、まゆ毛の形にこだわる若者、ひげの形を整える男性など、
おしゃれの流行も変遷してきています。
最近は団塊の世代の男性が、
顔のシミやシワ、タルミを気にして皮膚科を受診するようになりました。
当院でも男性のシミの治療にレーザーを使ったり、
ハイドロキノンやレチノイン酸といった外用剤を使っています。
また紫外線をさけるためにSPF値の高い日焼け止めクリームを購入したり、
抗老化作用のある化粧品を求めたりするる男性の患者さんが、
増えてきています。
紫外線によって、皮膚の悪性腫瘍が発生することもあるので、
日ごろからの心がけは大切なことです。
男性も女性と同じように肌のケアに関心を持ち、
美しく年を重ねて欲しいものです。
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◎男性型脱毛症の治療
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 太田みどり
すでにご存知の方もいらっしゃるとおもいますが、
プロペチアという薬が男性型脱毛症に使われるようになっています。
まだ保険適応ではありませんが、
皮膚科に受診されると自費扱いで処方してもらえます。
1960年代に、男性型脱毛症にDHT(ジヒドロテストステロン)が
関与していることがわかりました。
プロペチアはテストステロンからDHTに変換する酵素を阻害します。
男性型脱毛症の原因であるといわれるDHTの産生を
抑制することによって、海外では抜け毛の進行抑制改善効果が
90%見られたという報告があります。
国内では54%から58%の改善効果が報告されています。
ただしこれは男性の脱毛症にしか効果は認められていません。
興味のある方は是非皮膚科に相談してみてください。
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◎かぶれない染毛剤
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 太田みどり
毛染剤にはヘアマニキュアと呼ばれる一時染毛剤とヘアカラー、
ヘアダイと呼ばれる永久染毛剤があります。
白髪を染めるのには一般にはヘアカラーが使われています。
ヘアカラーにかぶれると、
頭皮が真っ赤に腫れてかゆくなり、ジクジクしてきます。
特に耳の上の部分の皮膚に強い症状がみられます。
ひどくなると顔も全体に真っ赤に腫れてきます。
シャンプーをした時に染毛剤が流れる額や目のまわりがひどくなり、
目が開かなくなるくらい腫れる人もいます。
多くの場合は、
染毛剤に含まれているパラフェニレンジアミンという物質に
アレルギーをおこしています。
アレルギーなので一度かぶれると慣れの現象はなく、
使えば使うほどひどい症状をおこします。
このような患者さんでもどうしても毛を染めたいという人には
パラフェニレンジアミンのはいっていない染毛剤を勧めています。
アクセーヌという会社では皮膚科医の紹介で
パラフェニレンジアミンのはいっていない染毛剤の注文を
受け付けています。
ただ、色は真っ黒に近く、好みの色に染めることはできません。
またヘアマニキュアだと大丈夫という人もいるので、
それを勧めることもあります。
かぶれを我慢して染毛剤を長く使うことは避けてください。
繰り返しかぶれを起こしていると、
かぶれた部分が黒く色がついて治らなくなります。
染毛剤でかぶれた場合は外用剤だけでは治りにくいので、
皮膚科医に相談してください。
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◎毛染め、ヘナによるかぶれ
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 太田みどり
最近、美容院で白髪染めに植物由来のヘナを使うところが
増えています。
ヘナはミソハギ科の植物です。
アフリカ、アジア原産の潅木で乾燥した葉を
染料として使用しています。
日本では天然の染毛剤として徐々に使われるようになっていますが、
海外では婚礼や儀式の時のペインティングとして、
大昔から使用されてきたようです。
ペインティングとして皮膚に使うと、
1~2週間で黒色から褐色に変化して徐々にとれていくので、
一時的なタトゥとして人気が高まり、
わが国でもヘナタトゥをする施設は増えてきています。
染毛剤として使っても、タトゥとして使っても、
それ自体にアレルギーをおこすようになれば
かぶれの症状がおこります。
ヘナを白髪染めに使ってかぶれた人は、
美容院で植物性だから安全といわれたといいますが、
植物由来のものが安全とはかぎりません。
ヘナを何回か使っているうちに感作されて、
頭皮や顔にかぶれの症状がでることがあります。
皮膚が赤くなり腫れてかゆくなります。
掻いているうちにジクジクしてきて頭皮や顔が腫れてきます。
染毛剤は毎日洗髪しても髪の毛にコーティングされていますから、
その影響は長く続きます。
このようなかぶれは皮膚科医に相談してください。
外用薬と内服薬が必要です。
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◎秋~冬はピアッシングの季節
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
空気が乾燥気味になり、汗もあまりかかなくなるこの季節は、
ピアスの穴あけをする方が増えます。
ピアスホールが安定するまでには1ヶ月ほどかかりますので、
晩秋~初冬にあけて、冬の間にピアスホールを完成させるという
スケジュールが人気のようですね。
ピアッシングは医療行為ですので、
ピアスの穴あけに必要な、清潔な器具と適切な技術を備えた、
医療機関での穴あけをオススメします。
特に、穴あけ用のファーストピアスがきちんとしていないと、
化膿だけでなく、金属アレルギーを引き起こすこともあります。
当院では、滅菌消毒したピアスと専用の穴あけ器を使っています。
医療機関ですから技術も安心ですし、必要に応じて局所麻酔もできます。
さらに、消毒薬や化膿止めの抗生物質の処方箋もお出しできます。
当院以外で穴あけをして化膿してしまった方のご相談にも乗りますので、
遠慮なくお越しください。
【詳細】 https://www.ota-medical.com/menu.html
ピアスのご案内はページの最下部です
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◎おおた皮膚科が完全予約制に
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おおたメディカルエステと併設のおおた皮膚科が、
10月より完全予約制となりました。
初診の方も、再診の方も、お電話で簡単に予約できます。
初診の方は、おおた皮膚科ウェブサイトより、問診表をダウンロードし、
あらかじめご記入のうえ、お持ちくだされば、
よりスムースに受付できます。
【おおた皮膚科トップページ】 http://www.dr-midori.com/
「初診の方へ」「再診の方へ」をそれぞれクリックしてください。
電話予約のしかた、問診表ダウンロードのページ等がひらきます。
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おおた皮膚科 http://www.dr-midori.com/
おおたメディカルエステ https://www.ota-medical.com/
院長:太田みどり(日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医 医学博士)
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〒359-0021 埼玉県所沢市東所沢1-3-11 ウチヤマビル
JR武蔵野線・東所沢駅より徒歩30秒
定休日:水曜・日曜・祝日・土曜午後
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発行日:2006年11月15日(毎月1・15日発行)
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